エアコンから水漏れ!
原因と応急処置
エアコンから突然、
ポタッ……
ポタッ……。
水が落ちてきた。
そんな時、
「ドレンホースが
詰まっているのかな?」
と思われる方も
多いかもしれません。
もちろん、
ドレンホースの詰まりは
水漏れの代表的な原因です。
でも、エアコンの水漏れは
それだけではありません。
水漏れは、原因ではなく
「症状」です。
大切なのは、
その水がどこで発生して、
どこを通って、
なぜそこから出てきたのか?
を確認することです。
その水、
本当にドレン水ですか?
冷房や除湿運転では、
エアコン内部の熱交換器に
結露水が発生します。
その水をドレンパンで受け、
ドレンホースを通して
屋外へ排水します。
そのため、室内機から
水が漏れると、
「ドレンが詰まって
水があふれたんだ」
と思われがちです。
しかし実際には、
漏れている水が
必ずしもドレンパンから
あふれた水とは限りません。
たとえば、
冷媒配管の断熱不足による結露水。
室内を通る
ドレンホース表面の結露水。
配管穴などから侵入してきた雨水。
壁や天井など、
別の場所から伝ってきた水。
これらも、お客様から見ればすべて
「エアコンから水が漏れた」
という同じ症状です。
だからこそ、
水が出ている場所だけを見て
原因を決めつけないことが大切です。
水漏れの主な原因
エアコンの水漏れには、
さまざまな原因があります。
ひとつずつ見ていきます。
1 ドレンホースの詰まり
最もよく知られている
水漏れ原因のひとつです。
冷房時に発生した水は、
ドレンパンからドレンホースを通って
屋外へ排水されます。
しかし、ホコリや汚れなどで
排水経路が塞がれると、
水が正常に流れなくなります。
その結果、行き場を失った水が
室内機側へ戻り、
ドレンパンからあふれて
室内へ漏れることがあります。
ただし、
水漏れ=ドレン詰まり
とは限りません。
2 ドレンホースの折れ・潰れ
ドレンホースが途中で折れたり、
何かに押されて潰れていたりすると、
排水が妨げられることがあります。
屋外側だけでなく、室内機の裏側など、
普段は見えない場所で
起きている場合もあります。
3 ドレンホース先端の水没
ドレンホースの先端が、
植木鉢やバケツ、水たまりなどに
浸かってしまうことがあります。
排水口が水没すると、
正常な排水を妨げる原因になります。
ドレンホースの先端は、
水に浸からない状態を
保つことが大切です。
4 ドレンの逆勾配
水は、高い場所から低い場所へ流れます。
ドレンホースも同じです。
ところが、
途中でホースが持ち上がっていたり、
排水方向とは逆の勾配に
なっていたりすると、
水が途中に溜まります。
これは現場では、
決して珍しいトラブルではありません。
施工直後には問題なくても、
使用条件や汚れなどが重なり、
後から症状が出ることもあります。
5 ドレンパン・排水口周辺の汚れ
詰まるのは、
屋外のドレンホースだけではありません。
その手前にある、
ドレンパンや排水口周辺に
汚れが溜まり、
排水を妨げる場合もあります。
そのため、屋外のホースだけを確認しても、
原因が見つからないことがあります。
6 ドレンホースの接続不良・抜け
ドレンパンとドレンホースの接続部分。
途中でホースを延長している接続部分。
こうした場所が正しく接続されて
いなかったり、抜けていたりすれば、
そこから水が漏れることがあります。
7 室内機の設置状態
室内機そのものの取り付け状態によって、
排水に影響が出ることもあります。
ドレン水は、決められた排水口へ
正常に流れる必要があります。
その流れを妨げる設置状態では、
正常に排水できない可能性があります。
「逆ドレン」と呼ばれる施工
多くの壁掛けエアコンでは、
施工条件に合わせて
ドレンホースを左右へ付け替えられる
構造になっています。
左側から配管を出す場合には、
設置状況に合わせて
ドレンホースも適切な側へ付け替えます。
ところが、
右側のドレン接続をそのまま使用し、
室内機の裏側を右から左へ横断させて
排水している施工を見ることがあります。
現場では、このような状態を
「逆ドレン」
と呼ぶことがあります。
排水経路が不必要に長くなり、
室内機裏側での勾配確保も難しくなります。
外から見ただけでは、
室内機の裏側がどうなっているのか
分かりません。
だからこそ、
取り付け時の適切な処理が重要です。
8 室内を通るドレンホースの結露
ここは、意外と知られていない
水漏れ原因です。
たとえばマンションなどでは、
大きなコンクリート梁があり、
エアコンのすぐ裏側に
配管穴を開けられないことがあります。
そのため、室内機から離れた外壁面まで、
冷媒配管やドレン配管を
室内側で横引きすることがあります。
この場合、ドレンホースの中には
冷たい水が流れています。
施工条件によっては、
ホース表面の温度が下がります。
すると、周囲の空気に含まれる水分が
表面で結露する可能性があります。
つまり、排水そのものは
正常にできているのに、
ドレンホースの外側から水が発生する。
そんな水漏れもあります。
室内を通る部分では、
使用するホースや必要な断熱処理など、
施工条件まで考えることが重要です。
9 冷媒配管の断熱不足による結露
ここも非常に重要です。
エアコンの冷房運転中、
冷媒配管は非常に冷たくなります。
そのため、冷媒配管には
断熱材が巻かれています。
しかし、断熱材に隙間があったり、
適切に復旧されていなかったり、
必要な断熱性能が確保されていない
部分があると、
冷たい配管によって周囲の空気が
冷やされます。
その結果、結露することがあります。
その水が配管を伝って、
室内機の下から出てくれば、
お客様から見れば
「エアコンから水漏れした」
という状態になります。
特に注意したい
左配管の接続部分
壁掛けエアコンには、
メーカー出荷時から室内機側に
冷媒配管が取り付けられています。
一般的には、室内機の右側から
補助配管が伸びています。
左直・左横・左下など、
左方向へ配管を出す施工では、
冷媒配管を接続したあと、
室内機裏側を通して
左方向へ取り回します。
冷媒配管を接続するためには、
接続部分の断熱材を
一度開く必要があります。
接続後には、断熱材を戻したり、
別の断熱材を追加したりして、
接続部分をしっかり断熱します。
メーカーによっては、
その上から巻く補助的な断熱材が
エアコンに同梱されていることもあります。
現場では、このような部材を
「包帯」
と呼ぶこともあります。
ここまで正しく施工しても、
その後に注意したい工程があります。
断熱材を
自分で潰してしまう?
冷媒配管2本。
室内機と室外機をつなぐ連絡線。
場合によっては、アース線など。
これらをまとめて、
エアコン用のテープで
束ねることがあります。
現場では、こうしたテープを総称して
「コーテープ」
と呼ぶ職人も多くいます。
束ねること自体は、
ごく一般的な施工です。
問題になる可能性があるのは、
巻く強さ。
きれいにまとめようとして、
テープを強く引っ張りながら、
ギュンギュンに巻いてしまう。
すると、その内側にある断熱材まで
強く圧縮されます。
せっかく隙間なく断熱材を施工しても、
最後のテープ巻きによって
断熱材の厚みを自ら減らしてしまう。
そんなことがあります。
断熱材は、
「付いていればいい」
というものではありません。
必要な厚みを保つことで、
本来の断熱性能を発揮しています。
強く圧縮されて、断熱性能が不足すれば、
内部の冷たい冷媒配管の影響で、
表面に結露が発生する可能性があります。
その水が、室内機の外装ケース下部などへ
溜まることがあります。
分解すると見える
数年後の答え
エアコンクリーニングでは、
普段は見えない部分まで
外装部品を取り外します。
すると、
外装ケースの下に水が溜まっていたり、
配管をまとめたテープ周辺だけが
真っ黒にカビていたりすることがあります。
本来、そこはエアコンの冷気が
直接通る場所ではありません。
それなのに、その場所だけが濡れている。
カビが集中している。
そんな場合には、
「なぜここに水があるのか?」
という視点で
確認する必要があります。
10 熱交換器・送風経路の汚れ
エアコン内部の汚れが
水漏れにつながることもあります。
フィルターや熱交換器などに汚れが蓄積し、
空気の流れが悪くなる。
熱交換器で発生した結露水が
正常に流れにくくなる。
こうした条件が重なることで、
本来とは違う場所へ
水が流れることがあります。
11 水滴が風で飛ばされてくる
「ポタポタ漏れる」だけが
水漏れではありません。
吹き出し口から、
細かな水滴が飛んでくることもあります。
熱交換器や送風経路の状態。
風量。汚れ。結露状態。
さまざまな条件が関係します。
12 ドレンパンの破損・亀裂
ドレンパンそのものが破損していれば、
そこから水が漏れる可能性があります。
経年劣化だけでなく、
何らかの外力で破損している
ケースもあります。
13 ネジがドレンパンを貫通
実際に私が確認した事例です。
部品を固定するネジが、
その奥にあるドレンパンまで
貫通していました。
ドレンパンには、
冷房中に発生した水が溜まります。
そこへ穴が開けば、当然そこから水が漏れます。
この場合、ドレンホースを掃除しても、
水漏れは直りません。
水漏れの原因には、
こうしたケースまであります。
14 部品の破損・変形
エアコン内部には、
多くの樹脂部品があります。
長年使用すれば、
新品時と同じ状態ではありません。
経年によって、硬くなったり、
割れやすくなったりすることもあります。
部品の破損や変形によって、
本来の排水経路が変わり、
水漏れにつながる可能性もあります。
15 雨水の侵入
水漏れが発生するのは、
冷房中だけとは限りません。
雨の日や、風の強い日にだけ水が出てくる。
そんな場合には、
屋外からの雨水も疑う必要があります。
配管穴周辺の処理や、配管経路などによって、
雨水が室内側へ伝ってくることがあります。
この場合、
エアコンが作った水ではありません。
16 壁や天井など別の場所からの水
さらに、エアコンそのものが
原因ではない場合もあります。
壁内や天井など、
別の場所から来た水がエアコン周辺へ伝い、
結果として
「エアコンから漏れている」
ように見えることもあります。
だからこそ、
水が出ている場所だけを見て
原因を決めつけないことが大切です。
「通水確認OK」でも
水漏れすることがあります
エアコン取り付け時には、
ドレンへ水を流し、
正常に排水されるかを
確認することがあります。
これは、大切な確認です。
しかし、通水確認で分かるのは、
主に
その時点で排水経路に
水が流れるかどうか。
冷媒配管の断熱不足。
断熱材の圧縮。
ドレンホース表面の結露。
雨水の侵入。
部品の破損。
こうした原因まで、
通水確認だけですべて
判断できるわけではありません。
つまり、
「水が流れた」=「今後、水漏れしない」
とは限りません。
「ドレンホースを吸えば直る」
とも限りません
水漏れすると、
ドレンホースを吸引する方法が
紹介されることがあります。
実際、ドレンホースの詰まりが原因なら、
改善する場合もあります。
しかし、
逆勾配。
逆ドレン。
接続不良。
冷媒配管の結露。
ドレンホース表面の結露。
ドレンパンの破損。
雨水。
これらが原因なら、
ホースを吸引しても根本原因は直りません。
だから、まず必要なのは、
原因を決めつけることではなく、
水の発生源を探すこと。
です。
水漏れしたら
まず確認してほしいこと
水漏れを見つけたら、
まずは安全を優先してください。
可能であれば、
エアコンの運転を停止します。
床や家具が濡れないように、
タオルやシートなどで
保護してください。
そして、できれば
どこから水が出ているのかを
写真や動画で残してください。
点検する時の大きな手がかりになります。
ご自身で安全に確認できる範囲で、
次のようなところも
見てみてください。
- ✅ ドレンホースの先端が水に浸かっていないか
- ✅ ドレンホースが折れたり、潰れたりしていないか
- ✅ 防虫キャップが詰まっていないか
- ✅ 雨の日だけ症状が出ていないか
- ✅ 吹き出し口から水滴が飛んでいないか
- ✅ どこから水が出ているのか
無理に室内機を
分解する必要は
ありません。
分からなければ、
そのままご相談ください。
⚠️
水漏れしている
エアコンについて
水漏れしていても、
まずはご相談ください。
ONE★STARでは、
水漏れしているエアコンでも
可能な限り
作業させていただいております。
内部の汚れや詰まりが
原因であれば、
洗浄によって
改善することがあります。
ただし、
水漏れの原因は
汚れだけではありません。
- ✓ 内部の汚れ・詰まり
- ✓ ドレンホースの異常
- ✓ 本体部品の破損・亀裂
- ✓ 排水経路の施工状態
- ✓ 配管・ドレンの結露
など、
さまざまな原因が
考えられます。
そのため、
「水漏れ=洗えば直る」
とは限りません。
実際の状態を確認し、
洗浄で改善できるのか、
それとも
修理や施工の見直しが
必要なのか、
可能な範囲で
原因を確認しながら
作業します。
【注意事項】
水漏れしているエアコンでも、
通常のエアコンクリーニングと
施工料金は変わりません。
水漏れを理由とした
追加料金もありません。
ただし、
洗浄では改善できない
原因だった場合でも、
ご予約いただき
現地へお伺いした時点で、
水漏れの原因や
作業の有無にかかわらず、
通常施工料金が発生します。
また、
洗浄や可能な範囲での
作業を行っても、
水漏れが
改善しなかった場合も
料金は発生しますので、
あらかじめご了承ください。
エアコンの水漏れや
汚れが気になる方は、
お気軽にご相談ください。
ONE★STARが
大切にしていること
エアコンには、
便利そうに見える市販品や、
簡単そうに見える対処方法が
たくさんあります。
でも、
「簡単にできる」=
「すべてのエアコンに正しい」
とは限りません。
水漏れも同じです。
ドレンホースを吸えば直るケースもあります。
掃除で改善するケースもあります。
でも、それでは直らない水漏れもあります。
ONE★STARが大切にしているのは、
最初から原因を決めつけないこと。
水がどこで発生して、どこを通って、
なぜそこから出てきたのか。
そこを確認したうえで、必要な対処を考えます。
同じエアコンを触る
職人として
エアコンには、
取り付け。修理。クリーニング。
さまざまな仕事があります。
それぞれに、
専門的な知識と技術があります。
私は、同じエアコンに携わる職人として、
それぞれの仕事を尊重しています。
だからこそ、
自分の専門だけを見て
終わりにしたくありません。
取り付けたその日は問題がなくても、
数年後にどうなるのか。
修理した部分が、
その後のメンテナンスに
どう影響するのか。
クリーニングで分解した時に、
取り付け時の施工が
どのような状態になっているのか。
一見、自分の仕事とは関係のない知識が、
自分の仕事をより良くして
くれることがあります。
施工した「その日」
だけではなく
数年後まで
取り付けた。冷えた。水も流れた。
それだけで終わりではなく、
そのエアコンが数年後
どうなっているのか。
そこまで少しだけ考える。
テープを巻く力を少し弱くする。
室内を通る配管の結露まで考える。
次にそのエアコンを触る人が、
困らない施工をする。
ほんの少しの知識や配慮で、
防げるトラブルもあります。
これは、
取り付けだけの話ではありません。
修理でも、クリーニングでも同じです。
ONE★STARが仕事で大切にしていることを
もっと詳しく書いています。
水漏れの原因は
一つではありません
エアコンから水が漏れた。
その事実だけで、
原因を特定することはできません。
ドレンの詰まりかもしれない。
勾配かもしれない。
施工時の取り回しかもしれない。
冷媒配管の結露かもしれない。
ドレンホース自体の結露かもしれない。
部品が壊れているかもしれない。
雨水かもしれない。
場合によっては、
エアコン以外が原因かもしれません。
だからONE★STARでは、
「水漏れ=○○」と最初から決めつけず、
水がどこで発生し、どこを通って、
なぜそこから出てきたのか。
ひとつずつ確認することを大切にしています。
この記事を読んで、
「エアコンの水漏れって、
ドレンホースの詰まりだけ
じゃないんだ。」
そう知っていただけたら、
それだけでも十分です。
水漏れは、「症状」です。
原因は、その奥にあります。
ONE★STARは、見えている水だけでなく、
「なぜ、そこに水があるのか?」
そこから考えます。