室外機カバーって
本当に必要なの?
夏になると、
ホームセンターやネット通販などで
「室外機の日よけ」
「室外機カバー」
といった商品を
よく見かけます。
直射日光から室外機を守る。
室外機の温度上昇を抑える。
電気代の節約になる。
そんな説明を見ると、
「付けた方がエアコンに良さそう」
と思いますよね。
確かに、
室外機へ当たる
直射日光を遮ること自体に、
まったく意味がないとは
言い切れません。
ですがONE★STARでは、
室外機を覆うようなカバーは
おすすめしていません。
なぜなら、
直射日光を遮ることよりも
もっと大切なことが
あるからです。
室外機で
一番大切なのは「空気」
室外機について考えるとき、
まず知ってほしいのが、
室外機は大量の空気を
必要とする機械
だということです。
冷房運転中、
室内機は
部屋の中にある熱を吸収し、
その熱を
室外機まで運んでいます。
そして室外機は、
運ばれてきた熱を
屋外の空気へ逃がしています。
そのため、
室外機のファンからは
暖かい空気が
大量に吹き出します。
この熱を、
できるだけ広い空間へ
逃がしてあげること。
そして、
熱を逃がすために必要な
新しい空気を、
できるだけ邪魔せず
吸い込ませてあげること。
これが非常に大切です。
室内機と室外機は
セットで働いています
エアコンは、
室内機だけで
部屋を冷やしているわけでは
ありません。
室内機で吸収した熱を
冷媒によって室外機へ運び、
室外機から
屋外へ放出しています。
室内機と室外機が
それぞれ熱交換を行うことで、
初めて部屋を
冷やすことができます。
つまり、
室外機がうまく
熱を捨てられなくなれば、
室内機側の冷房にも
影響が出てきます。
室外機は、
ただ外に置いてある
箱ではありません。
エアコンの冷房を支える
とても重要な機械です。
吐き出した熱い空気は
そのまま逃がしたい
例えば、
外の気温が30℃だったとします。
冷房運転中の室外機は、
室内から運ばれてきた熱を
屋外へ放出しています。
そのため、
吹出口からは
外気よりも温度の高い空気が
出てきます。
仮に、
室外機から吹き出す空気が
40℃だったとしましょう。
この40℃の空気は、
そのまま周囲の大気へ
逃げていくのが理想です。
室外機の前に
何もなければ、
吹き出した空気は
広い空間へ拡散していきます。
ところが、
室外機をカバーで囲ったり、
吹出口の近くに
障害物があったりすると、
せっかく吐き出した
熱い空気が、
室外機の周辺へ
戻ってくることがあります。
「ショートサーキット」
という現象
室外機が自分で吐き出した
熱い空気を、
再び自分の吸込側から
吸い込んでしまう。
このような状態を、
「ショートサーキット」
と呼びます。
本来なら、
周囲にある空気を
吸い込みたいところへ、
自分が今吐き出したばかりの
熱い空気が戻ってくる。
当然、
室外機にとって
良い環境ではありません。
熱を捨てるために
動いているのに、
捨てたはずの熱を
また吸い込んでしまう。
これでは、
室外機が効率よく
熱交換できなくなってしまいます。
40℃の空気を
また吸い込んだら?
先ほどの例で、
室外機から
40℃の空気が
吹き出していたとします。
その40℃の空気が、
カバーや障害物によって
うまく逃げられず、
再び室外機の
吸込側へ戻ってきたら?
今度は、
その高い温度の空気を相手に
熱交換しなければなりません。
当然、
最初に30℃の空気を
吸っていたときよりも、
室外機にとって
厳しい運転条件になります。
だからといって、
40℃。
50℃。
60℃。
70℃。
と、
無限に温度が
上がり続けるわけではありません。
エアコンには、
異常な温度や圧力などから
機械を守るための、
さまざまな
保護制御があるからです。
50℃でも運転できる
エアコンもあります
近年のルームエアコンには、
室外機の吸込温度が
50℃という高温環境でも、
冷房運転できるように
設計された機種があります。
近年の猛暑を考えれば、
非常に心強い性能です。
ただし、
「50℃まで動く」
=
「室外機の周りを塞いでも大丈夫」
ではありません。
そもそも、
メーカーが示している
高外気温での運転も、
必要な設置スペースや
空気の流れが確保されている
ことが前提です。
わざわざカバーなどを使って、
室外機周辺を
厳しい環境にする必要は
ありません。
なぜエアコンには
保護機能があるの?
室外機は、
ただ大きなファンを
回しているだけの
機械ではありません。
内部では、
冷媒と呼ばれるガスを
循環させ、
圧縮したり、
熱交換したりしながら
運転しています。
そのため、
温度や圧力などが
異常な状態になった場合、
そのまま無理に
運転を続けるのではなく、
能力を抑えたり、
場合によっては
運転を停止したりする、
さまざまな保護制御が
組み込まれています。
機械を壊さないための、
とても大切な
安全対策です。
もし保護機能が
なかったら?
ここは、
少し怖い話に
聞こえるかもしれません。
ですが、
エアコンの仕組みを
理解するうえでは
大切なことです。
エアコンは、
冷媒を密閉した
冷媒回路の中で循環させ、
圧縮機を使って
運転している機械です。
もし、
異常な高温や高圧の状態でも
保護制御が一切働かず、
そのまま無理に
運転を続けたとしたら、
機器の破損など、
重大な事故に
つながる可能性があります。
条件が重なれば、
最悪の場合には
破裂や爆発といった事故も
考えなければなりません。
もちろん、
これは、
「室外機カバーを付けたら爆発する」
という話ではありません。
エアコンには、
異常な状態から
機械を守るための
安全対策や保護制御が
設けられています。
安全装置があるから
無理をさせていい?
もちろん、
そんなことはありません。
安全装置があるから、
室外機の周囲を
塞いでも大丈夫。
ではありません。
むしろ、
安全装置が働かなければ
ならないような環境へ、
わざわざ近づけないこと。
こちらの方が
大切だと考えています。
メーカーが、
温度。
圧力。
空気の流れ。
必要な設置スペース。
さまざまな条件を考えて
設計した機械です。
そこへ後から、
カバーや
その他の物を追加して、
本来想定されている空気の流れを、
わざわざ悪くする必要は
ないのではないでしょうか。
直射日光より
風通しを優先したい
室外機の天板へ
直射日光が当たる。
これを避けることで、
表面温度の上昇を
抑えられる可能性はあります。
そのため、
日よけそのものを
完全に否定するつもりはありません。
ただ、
ONE★STARが
もっと大切だと考えているのは、
室外機の空気の流れを
邪魔しないこと。
直射日光を避けるために、
吸込口や吹出口を
少しでも塞いでしまう。
これでは、
何のための日よけなのか
分からなくなってしまいます。
ビルの屋上を
見てみてください
街中にある
ビルを見てみると、
屋上にたくさんの
室外機が並んでいることがあります。
強い日差しが当たる
屋上でも、
多くの室外機が
屋外に設置されています。
そもそも室外機は、
屋外で使用することを
前提に作られた機械です。
雨も降ります。
風も吹きます。
夏には、
強い日差しも当たります。
もちろん、
設置環境によっては
日よけが有効になる場合もあります。
ですが、
「直射日光が当たるから
何かで覆わなければならない」
とまで考える必要は
ないと思っています。
どうしても日よけを
付けたいなら?
それでも、
「天板への直射日光だけは
遮りたい」
という方も
いると思います。
その場合に
ONE★STARが重視するのは、
室外機の空気の流れを
絶対に邪魔しないこと。
例えば、
アルミなどの反射材を
使用するのであれば、
室外機の天板から
はみ出さないサイズに
カットする。
そして、
吸込口や吹出口へ
一切かからないようにする。
室外機の天板だけに
収まるように設置する。
このような方法なら、
周囲の空気の流れを
邪魔しにくくなります。
ただし、
室外機への物の取り付けは、
機種や固定方法によって
問題になる場合もあります。
メーカーの取扱説明書や
注意事項を確認したうえで、
無理な取り付けは
しないようにしてください。
ベルトや紐で
縛るタイプは?
市販の室外機カバーには、
ベルトや紐を使って
室外機へ固定するものもあります。
ONE★STARでは、
こうした固定方法も
積極的にはおすすめしていません。
室外機の周囲には、
できるだけ余計なものが
ない方が理想だからです。
ベルトや紐そのものが、
設置方法によっては
空気の流れを邪魔する
障害物になる可能性もあります。
さらに、
長期間屋外に置かれた
ベルトや反射材は、
紫外線や雨風によって
少しずつ劣化します。
数年経ってから
取り外そうとすると、
ベルトがボロボロになったり、
アルミ製の反射材などが
崩れたりすることもあります。
室外機を洗浄するときにも
邪魔になります
室外機は、
いつでも必ず
洗浄しなければならないものでは
ありません。
ONE★STARでも、
すべてのエアコンに
室外機洗浄をおすすめすることは
ありません。
ですが、
設置環境によっては
室外機の熱交換器に、
大量の汚れが
付着していることがあります。
例えば、
ホコリ。
洗濯物や布団などから出る綿ボコリ。
ペットの毛。
落ち葉。
その他のゴミ。
こうしたものが、
室外機の熱交換器を
覆ってしまうことがあります。
熱交換器が汚れで塞がれていれば、
空気をうまく通すことができません。
そんな場合は、
室外機の洗浄を
おすすめすることがあります。
必要なら
分解して洗浄します
汚れの状態によっては、
室外機を分解して、
熱交換器などを
洗浄することもあります。
もちろん、
必要のない室外機まで
何でも洗えばいいとは
考えていません。
状態を確認して、
洗浄する意味がある場合に
ご提案します。
そして、
こうした作業をするとき、
室外機へ巻き付けられた
ベルトや紐、カバーなどがあると、
それらを最初に
取り外さなければなりません。
長期間使用して
劣化しているものは、
動かしただけで
崩れてしまうこともあります。
室外機洗浄をご希望の場合は、
可能であれば事前に
カバーなどを外しておいていただけると、
作業もスムーズです。
「エアコンが動かない」
原因が室外機だったことも
実際の現場では、
「エアコンが動かない」
「冷房が効かない」
というご相談を
いただくことがあります。
確認してみると、
室外機の周囲に
物が置かれていたり、
洗濯物などによって
空気の流れが悪くなっていたり、
室外機周辺の環境が
原因になっているケースがあります。
そして、
周囲にあるものを移動させて、
室外機がきちんと
空気を吸って吐ける状態にすると、
正常に運転することもあります。
室内機だけを見ていると
気付きにくいのですが、
エアコンは室外機まで含めて
ひとつの機械です。
クリーニング直後に
動かなくなった?
実際に、
エアコンクリーニングのあとに、
「さっきまで動いていたのに
エアコンが動かない」
「クリーニングしてから
おかしくなった」
と、
ご連絡をいただいたこともあります。
クリーニング直後なら、
「掃除が原因では?」
と思いますよね。
当然、
作業に問題がなかったか
確認することは大切です。
ですが、
現地へ伺って
確認してみると、
室外機の近くにある
カバーや洗濯物、
その他の障害物によって、
室外機の空気の流れが
悪くなっている。
そんなケースもあります。
そして、
それらを移動させて
空気の通り道を確保すると、
はい、普通に動きました。
ということもあります。
実は、
こうしたケースには
毎年のように遭遇します。
だからこそ、
エアコンの調子が悪いときは、
室内機だけではなく、
室外機の周囲も
一度確認してみてください。
すだれを使うなら
室外機ではなく窓へ
夏の日差し対策として、
すだれやよしずを
使う方もいると思います。
もちろん、
使うこと自体が
悪いわけではありません。
ただし、
室外機の吹出口や吸込口を
塞ぐような位置には
設置しないでください。
ONE★STARでは、
室外機を囲うために
使うというより、
室内へ入る日差しを
窓の外で遮るために使う。
こちらをおすすめします。
窓から入る
直射日光を減らせれば、
そもそも室内へ入ってくる
熱を減らすことができます。
室外機の仕事を
邪魔する必要もありません。
室外機の周りには
何も置かないのが理想
結局、
ONE★STARが
一番おすすめしたいのは、
とてもシンプルです。
室外機の周りには、
可能な限り
何も置かない。
吹出口を塞がない。
吸込口を塞がない。
洗濯物を近くに垂らさない。
荷物を置かない。
雑草や落ち葉などが
溜まっていたら取り除く。
室外機が、
できるだけたくさんの
新しい空気を吸えるようにする。
そして、
吐き出した熱い空気を
できるだけ自由に逃がす。
特別な商品を
買わなくても、
まずはこれだけで
十分です。
ONE★STARが
大切にしていること
室外機の日よけには、
設置環境によって
効果がある場合も
あるのかもしれません。
だから、
日よけという考え方そのものを
否定するつもりはありません。
ただし、
室外機を守るために
取り付けたものが、
室外機本来の仕事を
邪魔してしまっては本末転倒です。
室外機は、
大量の空気を吸い込み、
大量の空気を吐き出しながら、
室内から運ばれてきた熱を
外へ逃がしています。
だからこそ、
室外機に何かを
足すことより、
室外機の仕事を
邪魔しないこと。
こちらを
大切にしてほしいと思います。
直射日光が
気になるからといって、
何でも被せる。
何でも囲う。
その前に、
室外機の周囲を
一度見てみてください。
しっかり空気を吸えるか。
熱い空気を
そのまま外へ逃がせるか。
まず確認するのは、そこです。
室外機にとって
一番大切なのは、
できるだけ自由に空気を吸って、
自由に吐ける環境です。
室外機の汚れが
気になる場合は
室外機の熱交換器を見て、
ホコリや綿ボコリ、
ペットの毛などで
目詰まりしている。
そんな場合は、
洗浄した方が良いケースも
あります。
ただし、
室外機は電気部品や
冷媒回路を含む機械です。
無理に分解したり、
ご自身で大量の水を
かけたりすることは
おすすめしません。
状態が気になる場合は、
一度ご相談ください。